御挨拶 名誉会長  | 岐阜薬科大学同窓会

会報九重(ここのえ)

御挨拶 名誉会長 

岐阜薬科大学長 永井 博弌

nagai

 岐阜薬科大学同窓生各位には、 益々ご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。 日頃より、 ご多忙の中、 教育研究基金をはじめとして、 同窓会活動を活発に進めていただき、 大学へのご支援をいただいておりますこと、 誠に有難く、 大学を代表して厚く御礼申し上げます。
ご承知の通り、 昨年より、 薬学の教育制度が改正され、 二年目を迎えました。 本年も薬学科および薬科学科には多数の志願者が集まり、 質の高い学生が入学して参りました。 大学全入時代を迎え、 定員確保に苦しむ大学が多い中、 誠に有難いことと思っております。 これも、 これまで、 同窓生の諸先生方が社会で活躍され、 その評価がこのような形で返ってきているものと重ねて感謝申し上げます。 大学を取り巻く環境は図1に示しますように、 1990年代から10年間の大きな社会変化に伴い、 2000年には人口減による構造改革を余儀なくされ、 大学にも大変革が求められる時代となりました。 公立の薬学単科大学である本学が、 この嵐の中でどのように生き残り、 成長していくか、 まだまだ厳しい状況が続くものと思われます。

図1 大学を取り巻く環境変化
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昨年の九重でご報告致しましたように、 昨年は①新しいカリキュラムに基づく教育、 ②世界レベルに対応する研究、 ③地方に生きる大学としての社会連携、 ④新教育制度に対応する組織改革、 ⑤岐阜大学との連携、 ⑥岐阜大学医学部敷地内での新学舎建設の六項目を重点課題として参りました。 第一項の新しい教育につきましては、 学内にグリーンファーマシー教育推進センターを新設し、 新しい教育の立案 (Plan)、 実行 (Do)、 評価 (Check)、 改善 (Action) を行い、 専任スタッフを四名配置しました。 現在も各教員の教育を円滑に行っていただくよう活動しております。 「早期体験学習」 「問題発見・問題解決能力養成教育」 「学習者主体教育」 「指導力養成教育」 など、 新しい教育の方法が取り入れられましたが、 大きな混乱もなく、 本年度も順調に動いております。 このような取り組みは、 昨年度の 「地域医療人等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム (医療人GP)」 に採択され、 この教育を進めるよう国から多額の補助金を3年間に亘っていただくことができました。 全国55薬系大学から11件採択という厳しい競争でしたが、 皆様のお陰で選定されましたことを大学一同感謝致しております。 主題は 「附属薬局を活用した臨場感溢れる実践教育」 で、 副題として 「人間性豊かな安全で確実な薬物療法を提供できる実践型薬剤師の養成」 としました。 将来の臨床現場で活躍できる薬剤師を養成するプログラムとして、 他の大学の手本となるものであることが認められたものと思います。 今後とも、 教職員一同、 一層の研鑽を重ねていく所存であります。 また、 薬学分野で国際的に活躍できる研究者・技術者の養成を目指す薬科学科も新しい教育体制を整備し、 教育を充実させております。 今回の教育制度改革の中で、 世界的にもユニークな制度として薬科学科が注目されております。 同窓生の方々や社会の中からいろいろご質問を受けますが、 本学の薬科学科での教育を何とか世界に発信できるものにしたいと考えております。
また、 第二項の研究につきましては、 大学の根幹は研究にあり、 この研究に支えられて教育と社会連携があると考えられます。 本年の内閣府経済諮問会議が国立大学法人の運営交付金を研究中心に算定するよう提言し、 大きな議論を呼びました。 この提言の善悪は別として、 やはり研究が大学の柱であることは間違いありません。 本学の研究は教員一人一人の自由闊達な研究と、 「育薬」 「創薬」 を柱とし、 両者に立脚する 「環境」 分野をも含めた大学のプロジェクト研究としています。 昨年度は大学プロジェクト研究に対する予算の傾斜配分、 「育薬研究センター教育フォーラム」 の開催を行いました。 このような新しい試みによって研究に新しい風を吹き込んでいます。 加えて、 教員一人一人の研究は成果が挙がり、 研究力のランキングを書いた成書では、 教員一人当たりの論文数はライフサイエンス部門で全国の国公私立大学の中で、 一昨年は2位、 昨年は4位、 本年は3位と常に上位を保っています。 これまで諸先輩によって築かれてきました基礎および応用研究を今後とも推進し、 「高度な研究によって支えられた教育とそれらを通じた社会連携」 を一層充実させていきたいと考えています。
第三項の地域貢献につきましては、 従来の地域の知の拠点としての役割を果たしながら、 大学の知に関する財産を広く社会で還元できるよう、 知財ポリシーを策定しました。 実際の運用は本年度からですが、 地域あるいは社会全体の産業活性化に結びつく第一歩を始めたと考えております。 また、 昨年もご報告致しましたように、 岐阜地域の都市再生プロジェクトとして、 健康をキーワードとした都市づくりに岐阜大学と共に大学として参画し、 「予防医学」 の研究・実践ができる町づくりのプロジェクトに貢献しております。 このプロジェクトも国からの財政的支援を受け、 今年度も継続して発展させていく予定です。
また、 第四の組織改革は本年度から大学組織を大講座制とし、 大講座の中に各研究室が所属する型で、 新しい職階制 (教授、 准教授、 助教、 助手) を取り入れ、 教育・研究での役割を明確化しました。 昨年度から本年度にかけ新しく数名の教授・准教授が誕生しました。 いずれも優秀で将来を嘱望される人材ばかりですので、 大学に更なる発展が期待されます。 また、 学内の運営組織として委員会活動を充実させ、 大転換期の運営を乗り切っていきたいと考えております。
第五の岐阜大学との連携につきましては、 岐阜大学と本学で本年4月に全国で初めて連合大学院が設置されました。 これは国立大学行政法人と公立大学との間では全国で初の設置であり、 創薬・医療情報を専攻科とするもので、 組織の形態がユニークであるばかりでなく、 専攻内容もアップツーデートなものであります。 お蔭様で本学卒業生を含む新しい大学院生が集まり、 順調なスタートを切りました。 この試みは本年度の政府のイノベーション2007にも取り上げられ、 国公私立を問わず、 広く連合を進めるよう提言されております。 近々、 神戸大学と神戸薬科大学が同じような大学院を設置するとの報道もあり、 全国的にも注目を浴びております。 今回の新しい連合大学院の設立は、 このように全国の大学にとって方向性の一つを示すものと期待されています。 本学は、 特に、 岐阜大学医学部・工学部を中心に強い連携を結び、 岐阜地域での大学の基盤強化に加わっていっております。 今後は東海地区での多くの大学とも連携を視野に入れ進んで参りますが、 中心となる岐阜大学とは更に連合を強化して参りたいと考えております。
最後になりましたが、 昨年、 計画を致しました新学舎を岐阜大学医学部の敷地をお借りして建設することが予算的な裏づけをいただき動き始めました。 これにつきましては、 昨年の九重および同窓会総会あるいは各支部総会にて詳しくご説明させていただきましたが、 本年の同窓会総会において、 新学舎の設備・備品の充実を目的に寄附を募るため募金委員会を設置し、 今年度中に募金活動を開始していただくこととなりました。 中心になるのは同窓会の諸先生方であると思いますが、 何卒宜しくお願い致します。
何かと大変な時期ではございますが、 本年は大学の基本的な方針として、 以下の3つのことを考えております。 第一の教育につきましては、 「高度専門職業人養成」 に関する教育の推進、 第二の研究については、 「高度な研究」 を基盤とした 「教育」 と 「社会連携」 を活発に行う。 第三は、 近未来の問題として、 「分校化」 「独立行政法人化」 「岐阜大学との連合」 について、 本学のグランドデザインに沿った方針の策定を行う年度であると考えております。 このような本学が抱えております問題の数々は職員一同一丸となって解決して参る覚悟でございますが、 このような大きな問題を大学職員のみで解決していくには限界があります。 何卒、 同窓生諸氏の一層の物心両面に渡るご支援をお願い致します。 諸先輩によって築かれました伝統を引き継ぎ、 「伝統の中からこそ真の革新が生まれる」 と信じ、 新しい発展性のある大学を目指して学内の職員一同努力する所存です。 同窓生の皆様方には上述のような大学の情況をご理解いただき、 どうか、 大学へのご支援を重ねてお願い申し上げて稿を閉じさせていただきます。 どうぞ宜しくお願い申し上げます。

九重72号より

岐阜薬科大学

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